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お墓選びはお寺選び

 地域で見かける寺院は、正式名称を宗教法人〇〇寺といい、宗教法人という法人格を持っています。宗教法人は公益法人に分類され、宗教儀式に関連する収入は非課税、その他の収入は収益事業として課税対象になっています。「じゃあ町で見かけるお寺は全て宗教法人なの?」と思われがちですが、実は全てがそうではありません。中には宗教法人の届けを出していない寺院と謳っている建物もあるそうです。「お墓を探すにあたってそんなの関係ないよ」という意見もありますが、本当にそれで良いのでしょうか?表題の お墓選びはお寺選び とは?


1.最新の宗教法人数

2.仏教の衰退

3.宗教法人の売買

まとめ.お墓選びはお寺選び


 1.ですが、文化庁による最新の統計調査(平成30年12月末)では、全国の宗教法人数は181252法人です。この数字だけ見るとコンビニ数の約3.3倍、歯科医院数の約2.8倍となりますが、実際に住職や神職が在中している宗教法人数は数分の1と言われてますので、実質2/3を兼務(兼任)していることになります。また日本の宗教法人は、神道系(神社)、仏教系(寺院)、キリスト系(教会)、諸教(新興宗教の教団)の4つの系統に分類されています。宗教法人で一番多いのは神道系です。

 2.は、単位宗教法人と呼ばれる町や地域で見かける神社や寺院などは、年々右肩下がりでその数が減少しています。しかも信者数を見ると仏教信者の減少は自然

減(年間の死亡者数)よりはるかに多く、長引いたデフレ経済による家計への経済的な負担も要因ですが仏教離れが進んでいることを表しています。一方で、キリスト教系は宗教法人数、信者数共に毎年少しずつですが増加傾向です。

 3.は、知っている方も多いと思いますし、ネットでもすぐ検索すれば出てきますので多くは語りませんが、宗教法人売買の殆どは単立宗教法人と呼ばれるどこの宗派にも属さない、又は比較的新しく設立された宗教法人です。単立宗教法人は、昔からある宗派から色々な事情で脱退した、もしくは新しく作った宗教法人で、当然のことながら宗門からのバックアップがありません。後継者不足が蔓延している宗教界では、宗門に属しているとその寺院を存続していくために近隣にある同じ宗門の寺院が兼務して存続を図りますが、単立で宗派に属していない場合、後継者がいないと売買の対象となったり、放置される可能性があります(全ての単立がそうではありませんし、年末年始にテレビでコマーシャルしている大きな寺院もありますので、あくまでも誤解のないように)。まして勝手に宗派を作ったり名乗っていたり、宗教法人の登記さえしていないものは、宗教法人でも何でもありません。そこにお墓を建てたり、納骨してしまったら後の祭りです。法人の登記は法務局で閲覧できますのでご確認を!

 まとめとして、以上のようにお寺にあるお墓だから安心という訳ではありません。お墓選びはお寺選びです。霊園の倒産 でも書きましたが、実際に起っている以上、「ここのお寺はどんなお寺なのかな」と調べてみることも重要ですね。お墓の販売は以前から石材店などが販売するのが一般的でしたが、近年は寺院のホームページで大々的に販売しているのをよく目にします。中には何から何まで全て値段が記載されていて、「えげつない」と感じてしまいます。何時からこうなってしまったのでしょうか?

 

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