近年、自分が死んだ後のお葬式やお墓の生前予約をする方が増えています。平成に入り、当時はまだ不透明な料金請求が多かった葬儀費用やお墓の費用に対して、以前からあった互助会などがあらためて見直されたり、終活や家族葬、自分らしさの追求など個人の多様性が尊重される時代とも重なり、また子供や孫たちに経済的な負担をかけないようにと、生前予約は今後も増えることが予想されます。事前に色々相談されたり探したりする方も多いと思いますが、具体的に当NPOにお申込みされた事例を一部ご紹介します。
1.墓じまいを機に
2.親族の死がきっかけで
3.誰も知らない場所を求めて
4.余談
1.墓じまい(改葬)は、霊園や寺院墓地など全国的に多く行われています。特に都営霊園や市営霊園は納骨の仕方によって期限があるので更新前に墓じまいする方が多いのですが、
この方は、ご自身の年齢的な限界もありこの機会に改葬先のお墓で一緒に眠りたいということで生前予約されました。
2.親族や身内に不幸がないと、お葬式やお墓なんて考えもしない方は多いと思います。でも突然身内に不幸が起きた場合、時間がない中で早急に葬儀の業者や場所を決めて手配しなければなりません。ただでさえ気が動転しているのにどうすれば良いかわからなくなってしまいます。弟さんを亡くされたこの方は、お葬式を済ませ、お墓を探していると「そういえば高齢の両親のお墓はどうすれば?」と親族の死がきっかけで生前予約されました。
3.お墓はあるのにそのお墓に入りたくないという方もいらっしゃいます。その方からお話を聞くと悲しくなってしまいましたが、要約すると、私利私欲の塊で、遺骨が埋葬されているお墓を勝手に無縁墓にしようとするその寺の住職さんと、何があっても助けにも来てくれない親族から決別したいと生前予約されました。
4.お墓の生前予約は年々増えています。墓誌や芳名板へ名前を刻まれる方もいらっしゃいますが、生前予約の方は一般的に赤字でお名前が刻まれます。お墓参りの時など見かけられたことがあるのではないでしょうか。
お墓の生前予約は注意も必要です。生前予約とは、生前にお墓へ納骨してもらうことを契約するのですが、生前予約した方を最後まで見てくれる方(連絡者)から墓地管理者へ連絡がないと納骨できないといことにもなりかねません。一般的に墓地管理者から生前予約をした方やその連絡者へ連絡することはないので、その点も注意が必要ですね。
*連絡者=生前予約した方が亡くなった後もその方の遺骨を管理している人(親族とは限らない)
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