お墓へ納骨する時に骨壷ごと収めるのが一般的ですが、この骨壷は古くは弥生時代には既にあったと言われています。当時はもっと大きな壺だったそうですが、大きさや形が時代とともに変わりながら今の陶磁器製の形になっています(埋葬とは も参考に!)。近年の終活ブームで、直ぐに納骨しないで手元供養する方やお墓へ納骨し一部を分骨して小さな骨壷に収め自身の近くに置いておくなどの需要が増え、骨壷も陶磁器製だけでなく木製、ガラス製、金属製など種類も大きさも色も豊富で、有田焼や九谷焼など高級タイプもあります。アマゾンでは二千円前後から購入でき、様々なものが販売されています。
納骨は骨壷ごとするのが当たり前となっていますが、遺体は土葬から火葬が主流となったこと、死亡者数の増加による墓地の不足によりコンパクトに埋葬することも優先されるようになり最近は樹木葬でさえ骨壷ごと納骨されることが多いのですが、お墓でも納骨堂でも納骨スペースには限りがあります。例えば、一般的な家墓(〇〇家之墓)では、墓石の下にカロートと呼ばれる骨壷を4個ぐらい納骨する空間が作られています(お墓の大きさによってカロートの大きさも変わります)。その空間がいっぱいになるとお墓へ納骨できないのですがその場合どう対処しますか?
対処方法として
1.古い遺骨からカロート下の土に埋葬していく
2.最も古い骨壷の遺骨を次に古い骨壷内に移す
3.骨壷での納骨から納骨袋での納骨に変えスペースを増やす
4.遺骨はカロートに全て散骨し更にスペースを確保(この場合カロートを開ける度に遺骨を見ることになります)
5.お墓をずっと維持できるのであれば遺骨は全て粉骨にしカロートに撒くことで最もスペースを確保する(親族にも要相談)
6.どこの菩提寺でも遺骨の最終的な受け皿である合祀墓などに移す。
お墓を増やせば解決しますが費用がかかります。上記方法でスペースを確保し対処できるのではないでしょうか。何れにしても後々トラブルにならないように親族や菩提寺の住職さん、そして石材店に相談してみましょう。骨壷の中の遺骨は30年経っても原型を留めています。仮に遺骨を土に埋葬したとしても原型が残っているそうです。
土に埋葬すると自然に還るイメージですが、火葬した遺骨は有機物を含んでいないリン酸カルシウムという無機質なものなので、実際は自然に還らずそのまま残るそうです。
陶磁器製の骨壷はこのように遺骨を収めるものとしてメリットがありますが、デメリットとしてはお墓の中では場所を取ってしまうことです。陶磁器製なので壊れやすいこともあります。また長期間の保管だと湿気が溜まりやすく中の遺骨がカビてしまうこともあるそうです。自宅での手元供養では、匂いに敏感な方は感じてしまうかもしれませんので、骨壷を更に何かで包むなどしたほうが良いかもしれません。
納骨する時に欠かせない骨壷ですが、火葬された遺骨は時が経っても残っています。時間や費用をかけても最終的には骨壷から遺骨を取り出すことになるのであれば、最初から合祀墓でも良いかもしれませんね。
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