世界的に見ても墓じまいする人が多い日本ですが、長引いたデフレ経済の影響もあり、檀家としてお墓を維持することが負担になっていることが一番の要因です。同じように、平成は散骨(故人の遺骨を粉末状の遺灰にして海や山に撒くこと)が広まり、散骨はもはや普通の選択肢として葬送方法の1つになっています。散骨は海外では以前から行われている所もあり、そもそも海外(欧米地域)では火葬後の遺骨が灰状(火葬場の燃焼温度は、日本はお骨拾いの風習があるので低め、海外ではそういう風習は無いので高温のため遺骨は灰状になる)になっていて遺灰の受取りも半分程なのでそのまま散骨が可能です。また、散骨は欧米では教会の裏庭や公園などの陸地が多く、国土の狭い日本では海が主流となっています。墓じまいをして故人の遺骨を散骨葬にする方も当然いらっしゃいますが、気をつけて頂きたい点があります。
1.親族間でのトラブル
2.散骨委託業者とのトラブル
1は、生前で故人が散骨を希望されていたのなら別として、一旦お墓に納骨してある遺骨(先祖の複数の遺骨があるケースも)をお墓から取出し菩提寺と離檀して散骨する場合は、親族間で後々トラブルにならないように気をつけましょう。お墓参りは出来
なくなることや、住職さんに供養してもらえないなど、しっかりと話し合いをして理解してもらった上で散骨を行いましょう。
2は、散骨にあたっては、遺骨を2ミリ以下の粉末状にしなければならないので、散骨業者さんに依頼するのが一般的ですが、遺骨は数年お墓に眠っていると湿気や水が骨壷に溜まるので、乾燥料などの別途料金がかかります。また多くの遺骨には六価クロムが付着していますのでその中和作業料もかかる場合があります。特に遺骨は高濃度の六価クロムが付着していると言われるので処理をきちんと行わないとやがて海洋汚染、食物連鎖など、将来の若い世代の人体にも確実に影響を与えます。残念ながら現在まで国の規制はなく、チェック体制もないので、実際に中和作業が行われているのかは分かりません。散骨業者さんに委ねられます。墓じまいにより散骨を選択される場合は、散骨業者さん選びは重要です。
墓じまいして散骨を選ばれる方は、その殆どがお子さんやお孫さんに負担をかけたくないという気持ちが強いと思います。そのお気持ちが裏目に出ないように業者さん選びは慎重に行って下さい。散骨は費用負担が少なくて済むのがメリットですが、思っていた以上に高くなるのであれば、納骨支援の会へご相談下さいませ。
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